妊娠発覚、稽留流産、子宮内容除去手術まで
健康と身体運動文化 特別編として記録しておこうと思う。
3週
下腹部の深い場所がキリキリ痛む。胸の張りも感じる。あと1週間ほどで月経予定日だったので、いつもの月経前の兆候だろうと判断する。
4週
兆候のあった月経がこない。
過去、月経周期の遅れは何度も経験したので、また遅れているのだろうと判断する。
4週半ば
少しおりもののようなものが出るが、結局1回のみ。
5週0日
月経は来ず、胸の張りは続いている。いつもよりも強く張っていて、うつ伏せになると痛いので避けるようになる。
直近で記録していた月経周期はおよそ28日周期だったので、妊娠の可能性を考える。
軽い吐き気はしばしばあるが、普段から程度は同じなので特別ではない。ほかに頭痛など目立った妊娠初期症状はない。
妊娠の数え方は、最終月経が始まった日を0週0日として1日ずつ増え、7日で1週となる。
6週
お盆期間で忙しくする。
月経は来ず。
6週6日
胸の張りはあいかわらず続いている。
妊娠検査薬を購入する。
朝一に行うのが推奨されていたので翌朝まで待つ。
7週0日
朝一で妊娠検査薬を試す。
検査開始後数秒で陽性反応がある。
説明書きには1分とあったので、あまりの速さに計測失敗を疑う。
検査終了のしるしが表示され、完了した様子。
夫に報告。2人で喜ぶ。
7週1日
19:00
産婦人科を受診する。
問診票がとても細かくて驚く。職種、結婚時期、月経周期など。
先生に月経周期、最終月経開始日を伝える。
すぐに検査台へ促される。
超音波検査を受ける。
「赤ちゃんが見えますね、横の画面に映ってます」と先生。
横を見ると、モニターにモノクロの映像が映っている。黒い大きな円の中に小さい白い米つぶのようなものが見える。これが赤ちゃん!
「心拍が動いてないですね」と先生。
はじめての愛おしさと嫌な予感が同時に来る。
「はぁ...」としか言えず。
診察室に移り、おそらく稽留流産との診断を受ける。
7週目だが、6週の大きさしかなく心拍が計測できないとのこと。
自分ごとの実感が湧かず、呆然とする。
「早期流産はほとんど赤ちゃんに原因がある。大事な部分にミスがあると正常に育たない。ミスは誰にでもある。5回に1回くらいの確率で起こること。」と丁寧に説明を受ける。
胎児の映った画像のコピーをいただく。
ふと目に入った看護師さんの神妙な表情に、胎児の死を実感する。
稽留流産であれば自然排出か手術の2通りがあるが、準備のできる手術を先生から勧められる。なるべく仕事に支障をきたしたくないので手術を同意する。
20:00
夫が迎えに来たので説明する。流産の悲しさと妊娠できることがわかった安堵とが入り混じる。
あるかどうかもわからない可能性にかけて、胎児に良い栄養分が摂れる、ほうれん草やブロッコリーを使った夕食を食べる。
7週4日
再度、超音波検査をして稽留流産が確定する。
大きさは前回と変わらず。成長していない。以前より胎児の映りがぼやけていて、消滅に向かっていることを予感させた。
手術の説明を受ける。
手術後3日は安静、1週間は無理せず様子を見るとのこと。手術日は2日後に決める。
職場に連絡して休暇手続きをする。
7週5日
胸の張りは変わらず続いている。
稽留流産とは、胎児が亡くなったことに子宮が気づかず、まだ守ろうとしている状態のことらしい。
長くとも2週間のうちに子宮が気づくと、次の妊娠に備えようとするため、亡くなった胎児を異物と認識し、排出しようとして激しい腹痛を伴う大量の出血が起こるとのこと。
7週6日
11:00
手術日当日。
昨夜から飲食を絶って病院へ。
薬を処方される。痛み止め、感染予防、子宮収縮促進の3種類。
個室に案内され説明を受ける。
手術は全身麻酔をして意識のない間に10分ほどで済み、5時間経過後診察で異常がなければ帰宅できるとのこと。
血液検査のため左肩に注射を受ける。
11:15
着替えて処置台に上がり準備を施される。
右腕に血圧計のようなものを巻かれ、一定時間で圧迫を繰り返す。
11:30
先生が処置室に入る。
左腕静脈から麻酔を受ける。
注射された箇所が痛む。
数十秒で眠くなり意識がなくなる。
看護師さんの声で何か促され、朦朧としたまま個室のベッドに体を移したような感覚。そのまま意識がなくなる。
11:50
意識が少し戻る。
個室のベッドの上。
腹部がキリキリ痛む。
体を起こそうとするも、力が入らず体を横に倒すのが精一杯。
なんとか時計を見ると11:50。
手術が終わったことを知る。
少し吐き気がする。
腹部の痛みが苦しく辛く、体を抱えるようにして寝る。
13:00
目が覚める。
窓の外を見たりする。雨粒が窓に当たる音が心地良い。
看護師さんが様子を見に来てくれる。
14:00
手術後はじめてお手洗いに行くために看護師さんを呼ぶ。
血圧を測り、異常なしとのこと。
ふらつきは、もうない。念のため動作はゆっくりを心がける。
処置後の紙ショーツを履いている。
出血は想像していたより軽い様子。
時間まで安静にする。
16:00
着替えて診察室へ。
出血を抑える膣のガーゼを取り除く。
異常なしとのこと。
「3日は安静に、なるべく1週間は無理しないで、1週間後に来院してくださいね。今日はもう帰っていいですよ」とあっさりと帰宅を促される。
呆気にとられながら外に出ると雨が降っている。どんよりした空で、現実ではないような落ち着かない気持ちになった。
18:00
帰宅後夕食。
スープが飲みたかったので、クラムチャウダーを飲む。ホッとするが、いつもの美味しさはあまり感じなかった。
処方された薬を飲む。
19:00
不妊を心配していた義母へ連絡する。
説明するときに、はじめて涙が出る。
「悲しいけど本人が一番辛いけんね、考えようによっては妊娠できることがわかって安心。高タンパク質の卵や肉を食べんね。どうしようもないってなったらうちに来んね。」といつもの口調で安心する。
“安静にする”とは、お手洗い以外基本は体を横にしておくことらしい。
最低限の食事や軽い身支度で起き上がるのはOKだけど、長時間座る姿勢や掃除・洗濯・料理、重いものを持つなどNGとのこと。
外出もNG。流産も出産と同じだそうで、昔は読書もテレビも禁止されていたとか。
この安静の時間が辛い。散歩できるだけでも気分転換になるが、外出NGなのでそうもいかない。
8週0日
引き続き安静にする。
夫は仕事なので家に1人。
音楽で気を紛らわす。
胸の張りはあいかわらず続いている。
咳をしたり鼻をかんだり勢いよく腰掛けると、下腹部に刺激を感じるので控える。
処方された薬と別に、妊婦に良いとされる、葉酸・鉄・カルシウムのサプリメントを飲む。
常温の水を心がけて多めに摂る。