論理って何? ドラマ仕立ての本で、論理を気軽に考える
論理的思考の7コマめ。
教材:NHK『ロンリのちから』制作班著 野矢茂樹監修 ロンリのちから
「論理的思考って、大事なのはなんとなくわけるけど、堅苦しいことばっかりでとっつきにくい」という時におすすめの本を紹介しようと思う。
論理の第一歩になりそうな、ドラマを楽しみながら論理の導入部分を学べる「ロンリのちから」という本。
ロンリのちからは、もともとNHK高校講座という番組のひとつ。
NHKによると、結構人気だから書籍になったんやって。NHK高校講座
本買うのはちょっと…という方は、今は無料で見れるようになってるので番組をご覧になってみてほしい。
内容は本も番組もほとんど同じ。本には解説がついてる。
私には番組のテンポがゆっくりすぎて、合わなかった。本だと自分のペースで読めるから本派。
とある高校の映像部が舞台で、しばしば脚本についての対立が学生同士で起きてしまう。そこで登場するのが、顧問の溝口先生。なぜ対立が起こったのか、どうすれば解決するかを「ロンリのちから」で考えていく。…というドラマ仕立ての教育講座。
社会人になっても求められる論理的思考力(クリティカル・シンキング)を養うのがテーマになってる。
私がお気に入りの論法をまとめておこうと思う。
三段論法
推論方法の1つ。推論とは、前提から結論を導くこと。
例1)『鳥は卵を産む。ペンギンは鳥。だからペンギンは卵を産む。』
正しい三段論法は、非の打ち所がないくらい当たり前。
説得力がある。
結論を正しく導く為に、一段目で全体のことを言ってから二段目で一部のことを言い、三段目で結論を述べる。
全体に当てはまることは一部にも当てはまる。
例2 )『ペンギンは空を飛べない。ペンギンは鳥。だから鳥は空を飛べない。』
一段目で一部のことを言い、二段目で全体のことを言ってしまったから結論を間違ってしまった。
一段目、二段目だけを見ると正しいことを言っているが、推論の順番を間違えると結論が間違うことがある。
部分から全体を判断すると、間違ったことを結論する可能性がある。
意見が飛躍してしまう危険性がある。
三段論法は論理の基本。二つの前提が示されたときに、そこから的確に結論を導くということを意識する。ここをずさんにして「なんとなく」で済ませていては、論理力は決して身に付かない。
三段論法で正しい結論を出すには、2つの条件が必要。
1つは、前提が間違っていないこと。もう1つは、飛躍しないこと。
例3)『あの会社は有名である。私はあの会社に入社する。だから私は有名である。』
前提2つは正しいが、結論を強引に導いてしまっている。飛躍している。
有名な会社に入社した人が全員有名とは限らない。
例4)『ブランド品をたくさん持っている人はオシャレである。私はブランド品をたくさん持っている。だから私はオシャレである。』
一段目が間違った前提になっているから、間違った結論が導かれている。
ブランド品をたくさん持っている人がオシャレとは限らない。
例5)『アリスは猫だ。猫は空を飛べない。だからアリスは空を飛べない。』
一段目の前提で間違ったことを言っているのに、正しい結論になっている。
結論だけじゃなくて、どういう前提から、どうやってその結論がでてきたか、道筋をきちんと見る。
正しい推論は、「正しい論理」と「正しい事実認識」から成り立つ
正しい推論の為には、第一に、前提から結論への導き方が正しくなければならない。
「その前提が正しいならば、確かにその結論も正しそうだ」と誰もが納得するような導き方をしているかどうか。飛躍がないように結論を導く。
第二に、前提が正しいものでなければならない。
いくら導き方が正しくても、出発点となる前提がまちがっているのでは、結論の正しさは保証されない。
飛躍がないかどうかチェックするのは論理の力。
前提の正しさをチェックするのは事実認識の問題。
正しい推論は、正しい論理と正しい事実認識から成り立っている。
「導き方に飛躍はないか」と「その前提は本当に事実なのか」という2つの観点をしっかり押さえる。